もくじ
はじめに
知っていただきたいのは
コマの割り方に
決まりごとはありません
ですが
知っておくと便利な
コマ割りのテクニックというのは
確かに存在します
この記事では
このコマはどういった狙いをもって
描かれているのか?
というところを解説しますね
見開き単位で考える
見開きで読みます
つまり、右のページと左のページを
一緒に読むということですね
なので
ネームでのコマ割り作業も
2ページずつで考えましょう
コマ割りは、
右と左のページが
同じ高さになるコマ(横線)が
ないようにするのが基本です
※次に読むコマが分かりにくくなる為
読みづらくなるミスを
回避できるというメリットがあります
【人物の大きさ】
【コマの中の人物の大きさ】
について説明していきます
これは
大きく3パターンにわけられます
それぞれの特徴を載せますので
もっとも良いと思う大きさで
コマ割りしてくださいね
①アップ
文字通り
画面いっぱいに大きく描き
アップで見せる方法です
主に「顔アップ」と
呼ばれるものが多く
表情を伝えたいときに使います
アップの構図のメリットは
感情が伝わりやすく
画面も華やかになります
また
見せたいものを
アップにすることで
そのアイテムの重要性や
細かい部分まで見てもらうことが
できます
逆にデメリットとしては
多用してしまうと
メリハリがなくなってしまうという
デメリットもあります
特に初心者さんは
顔のアップを
使いすぎてしまう事が多いので
アップにする必要があるのか
ということを
考えながら描きましょう
②ミドル
ミドルショットとも呼ばれ
中くらいの大きさの
人物のことをさします
胸まで入れる構図や
太ももまで入れる構図など
どこかで途切れている
アップでもない切り取り方は
大体これにわけられます
(ミドルについては、人によって
解釈が違う場合がありますが
今回は分かりやすいよう
この解釈で進めます)
ミドルのいいところは
・表情と状況
どちらも見せることができる
・立ち位置を見せつつ
背景などの細かい部分も伝えられる
など
色んな情報をいっぺんに伝えられる
という万能の構図です
デメリットとしては
全てを伝えられるので
どこを伝えたいのか分からない
伝わりはするが
アップなどの
心に響く画面作りは出来ない
などがあげられます。
③ロング
ロングは画面を
遠くから見た時の構図です
メリットとしては
複数の人物の
全身が入ることで
「立ち位置の関係」が
見やすいのが特徴です
デメリットとしては
人物の表情や
細かな変化が
伝わりづらいところです
画面が変わった時や
場所を伝えたいとき
画面にメリハリをつけたい時などは
ロングの構図を
使うとよいでしょう
【人物の角度】
「画面の角度」に
ついてです
コマの中にの人物や背景を
どこから見るかによって
全体が見やすくなる
効果があります
基本的には
角度をつけない方が
見やすい画面が出来ます
しかし
必要な時に入れられれば
画面がひきしまりますので
効果的に使えるよう
練習してみましょう
①ふかん
ふかんとは
人物を上から見下ろした状態
のことをいいます
ふかんのメリットとしては
・第三者から見てるような距離感が出せる
・安定した画面ができる
・人物の位置と周りの環境が分かりやすい
という点があります
デメリットとしては
・表情やしぐさが見えづらい
・高さが比較しにくい
・上からみた構図は難しい
という点があります
ふかんは
比較的使う場面が多いので
普段見ている漫画を参考にして
取り入れてくださいね
②あおり
あおりとは
人物を下から見上げた状態
のことを言います
あおりのメリットとしては
・迫力が出せる
・ビルなどの高さが強調できる
・威圧感(怒り)が伝わりやすい
という点があります
デメリットとしては
・多用すると見づらい画面になる
・絵的に映えるものではない
・下からみた構図は難しい
という点があります
あおりが必要な場面は
少ないですが
これを使えると
漫画のクオリティが
グッとあがりますので
ぜひ試してみてくださいね
【コマの形の意味】
コマの形には
・ヨコゴマ
・ナナメゴマ
基本的に
漫画を描く時は
タテゴマとヨコゴマを使い
必要な時だけ
ナナメゴマをいれましょう
①タテゴマ
タテゴマとは、文字通り
縦に長いコマのことです
タテゴマを使うとよい場面は
・高さがあるものを描くとき
(縦長だと目立つ)
・人物の全身を見せたいとき
・ヨコゴマが続いてるとき
・モノローグやセリフを効果的に見せたいとき
(文字を大きく配置できる)
などがあてはまります
逆に使わない方がよい場面は
・距離感を見せたいとき
・時間の流れを見せたいとき
・人物が複数いる時(小さくせまくなる)
となっています
ただしこれは
構図によっては
問題なく使える時もあります
◆例◆
距離感を見せたいとき
上から「ふかん」で見下ろし
遠くから「ロング」で描く
こうすれば
タテゴマでも問題なく
距離感が表現できます
②ヨコゴマ
ヨコゴマとは
文字通り
横に長いコマのことです
ヨコゴマを使うとよい場面は
・人物が複数いるとき
(大きく描けて位置が分かる)
・距離を伝えたいとき
・時間の経過をみせたいとき
・セリフが沢山あるとき
などがあてはまります
逆に使わない方がよい場面は
・高さがあるものを描くとき
・人物のコーデなどを見せたいとき
・ポーズや動きを伝えたいとき
となっています
ヨコに長いコマは
時間の経過を伝える効果や
セリフが多い時でも
少ないスペースで済むという
メリットも沢山多いので
ぜひ積極的に
使ってあげてくださいね
③ナナメゴマ
ナナメゴマとは
角度がついたコマのことです
ナナメゴマのメリットは
・迫力が出る
・デットスペースを少なくできる
・入らない構図が入るようになる
・単調なコマ割りのアクセントになる
・不安定さをだすことができる
という点です
ナナメゴマのデメリットは
・多用すると読みにくい
・安定感がなくなる
・角度をつけすぎると見た目が悪い
という点です
メリットに書いてある
デットスペースを
少なく出来るというのは
漫画を描いてる時
どうしてもスペースが空いてしまう
場合があります
コマを斜めに割ることによって
少なくすることができるんです
これをすることにより
画面全体の密度があがるという
メリットもあります
また、入らない構図が
入るようになるというのも
これと同じ原理です
たとえば
人物を太ももまで見せたいけど
コマが小さくて見せられないという場合
ナナメにコマ割りすることで
面積自体は同じでも
必要な部分に場所を
割り当てることができるんです
メリットも沢山ある
ナナメゴマですが
使いすぎると逆にマイナスな部分が
目立ってしまうので注意しましょう
使う為には
①最低限の効果的なコマにだけ使う
②角度をつける際
・ゆるやかな角度のナナメを使う
・基本的にナナメを使ったコマの
残りの片方の角度は垂直水平にする
というルールを守りましょう
そうすると
見やすい画面のまま
ナナメゴマのメリットを
活かすことができるでしょう
【番外編】
番外編では
たまに使うと効果的なコマを
ご紹介します
①空白のコマ
空白のコマ
というのは
「真っ黒な画面」や
「人やセリフがなく、空気感だけの画面」
のことを言います
このコマの効果は
・アクションする前に入れると迫力が出る
・表情を見せたい時、次のコマを引き立たせる
・スピード感ある展開の時に一度休憩する場所
などがあります
全てに共通しているのは
「空白のコマ」は
読者に見てほしい場面の前に入れると
効果をひきだす力がある
ということです
なので
もしあなたが
見てほしいと思っている
場面があるとしたら
大ゴマやアップの他に
空白のコマを
取り入れてみて下さい
②背景のコマ
背景のコマは
建物だけ、空だけ、地面だけ、など
人物が映りこんでいない
コマのことをいいます
主な役割としては
・背景が主役の時
・セリフが多い時など
文字に集中してもらうため
・テンポ調整
・作画の時間短縮
などがあげられます
人物が多く
画面がごちゃごちゃしている時に
空などのシーンをはさめば
画面的にも
キレイに整いますので
ぜひ使って見て下さいね
ただしそれが応募する作品だった場合
トーンで背景を埋めるという
テクニックを多用してしまうと
評価に影響するおそれがありますので
注意してくださいね
コマの役割一覧
~大きさ編~
◆アップ◆
〇感情が伝わりやすく画面が華やかになる
×多用するとメリハリがなくなる
◆ミドル◆
〇表情と状況、どちらも見せられる
×万能だが、強調には向かない
◆ロング◆
〇立ち位置関係が見やすい
×表情や、細かな変化が伝わりづらい
~角度編~
◆ふかん◆
・みおろした構図
〇安定した画面、周りの環境が分かりやすい
×高さが比較しづらい、画力が必要
◆あおり◆
・みあげた構図
〇迫力がだせる、威圧感がでる
×多用すると見づらくなる
~コマの形編~
◆タテゴマ◆
〇高さがあるもの、全身を見せたいとき
×距離や時間の流れは分かりづらい
◆ヨコゴマ◆
〇距離を伝える、時間の経過を見せる
×ポーズや動きを見せるには不向き
◆ナナメゴマ◆
〇迫力と不安定さが出る、アクセントになる
×多用すると読みにくい
~番外編~
◆空白のコマ◆
タメ、目を休める場所を
意図的に作る効果がある
◆背景のコマ◆
背景が主役の時や
セリフに集中してもらいたい時に便利
コマの形や構図の決め方【まとめ】
漫画のコマというのは
1つとして
無駄なものは存在しません
必要がなさそうなコマでも
テンポを整える
「タメ」だったり
より伝わりやすくするための
「補足」
の役割をもっています
ですので
コマ割りに悩んだ時は
一番見せたいのはどこか?
を考えて
そこが引き立つように
調整するとよいでしょう