もくじ
はじめに
知っていただきたいのは
コマの割り方に
決まりごとはありません
ですが
知っておくと便利な
コマ割りのテクニックというのは
確かに存在します
この記事では
このコマはどういった狙いをもって
描かれているのか?
というところを解説しますね
見開き単位で考える
見開きで読みます
つまり、右のページと左のページを
一緒に読むということですね
なので
ネームでのコマ割り作業も
2ページずつで考えましょう
コマ割りは、
右と左のページが
同じ高さになるコマ(横線)が
ないようにするのが基本です
※次に読むコマが分かりにくくなる為
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/見開き1.png)
読みづらくなるミスを
回避できるというメリットがあります
【人物の大きさ】
【コマの中の人物の大きさ】
について説明していきます
これは
大きく3パターンにわけられます
それぞれの特徴を載せますので
もっとも良いと思う大きさで
コマ割りしてくださいね
①アップ
文字通り
画面いっぱいに大きく描き
アップで見せる方法です
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/アップ.png)
主に「顔アップ」と
呼ばれるものが多く
表情を伝えたいときに使います
アップの構図のメリットは
感情が伝わりやすく
画面も華やかになります
また
見せたいものを
アップにすることで
そのアイテムの重要性や
細かい部分まで見てもらうことが
できます
逆にデメリットとしては
多用してしまうと
メリハリがなくなってしまうという
デメリットもあります
特に初心者さんは
顔のアップを
使いすぎてしまう事が多いので
アップにする必要があるのか
ということを
考えながら描きましょう
②ミドル
ミドルショットとも呼ばれ
中くらいの大きさの
人物のことをさします
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ミドル.png)
胸まで入れる構図や
太ももまで入れる構図など
どこかで途切れている
アップでもない切り取り方は
大体これにわけられます
(ミドルについては、人によって
解釈が違う場合がありますが
今回は分かりやすいよう
この解釈で進めます)
ミドルのいいところは
・表情と状況
どちらも見せることができる
・立ち位置を見せつつ
背景などの細かい部分も伝えられる
など
色んな情報をいっぺんに伝えられる
という万能の構図です
デメリットとしては
全てを伝えられるので
どこを伝えたいのか分からない
伝わりはするが
アップなどの
心に響く画面作りは出来ない
などがあげられます。
③ロング
ロングは画面を
遠くから見た時の構図です
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ロング.png)
メリットとしては
複数の人物の
全身が入ることで
「立ち位置の関係」が
見やすいのが特徴です
デメリットとしては
人物の表情や
細かな変化が
伝わりづらいところです
画面が変わった時や
場所を伝えたいとき
画面にメリハリをつけたい時などは
ロングの構図を
使うとよいでしょう
【人物の角度】
「画面の角度」に
ついてです
コマの中にの人物や背景を
どこから見るかによって
全体が見やすくなる
効果があります
基本的には
角度をつけない方が
見やすい画面が出来ます
しかし
必要な時に入れられれば
画面がひきしまりますので
効果的に使えるよう
練習してみましょう
①ふかん
ふかんとは
人物を上から見下ろした状態
のことをいいます
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ふかん.png)
ふかんのメリットとしては
・第三者から見てるような距離感が出せる
・安定した画面ができる
・人物の位置と周りの環境が分かりやすい
という点があります
デメリットとしては
・表情やしぐさが見えづらい
・高さが比較しにくい
・上からみた構図は難しい
という点があります
ふかんは
比較的使う場面が多いので
普段見ている漫画を参考にして
取り入れてくださいね
②あおり
あおりとは
人物を下から見上げた状態
のことを言います
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/あおり.png)
あおりのメリットとしては
・迫力が出せる
・ビルなどの高さが強調できる
・威圧感(怒り)が伝わりやすい
という点があります
デメリットとしては
・多用すると見づらい画面になる
・絵的に映えるものではない
・下からみた構図は難しい
という点があります
あおりが必要な場面は
少ないですが
これを使えると
漫画のクオリティが
グッとあがりますので
ぜひ試してみてくださいね
【コマの形の意味】
コマの形には
・ヨコゴマ
・ナナメゴマ
基本的に
漫画を描く時は
タテゴマとヨコゴマを使い
必要な時だけ
ナナメゴマをいれましょう
①タテゴマ
タテゴマとは、文字通り
縦に長いコマのことです
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/タテ.png)
タテゴマを使うとよい場面は
・高さがあるものを描くとき
(縦長だと目立つ)
・人物の全身を見せたいとき
・ヨコゴマが続いてるとき
・モノローグやセリフを効果的に見せたいとき
(文字を大きく配置できる)
などがあてはまります
逆に使わない方がよい場面は
・距離感を見せたいとき
・時間の流れを見せたいとき
・人物が複数いる時(小さくせまくなる)
となっています
ただしこれは
構図によっては
問題なく使える時もあります
◆例◆
距離感を見せたいとき
上から「ふかん」で見下ろし
遠くから「ロング」で描く
こうすれば
タテゴマでも問題なく
距離感が表現できます
②ヨコゴマ
ヨコゴマとは
文字通り
横に長いコマのことです
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ヨコ.png)
ヨコゴマを使うとよい場面は
・人物が複数いるとき
(大きく描けて位置が分かる)
・距離を伝えたいとき
・時間の経過をみせたいとき
・セリフが沢山あるとき
などがあてはまります
逆に使わない方がよい場面は
・高さがあるものを描くとき
・人物のコーデなどを見せたいとき
・ポーズや動きを伝えたいとき
となっています
ヨコに長いコマは
時間の経過を伝える効果や
セリフが多い時でも
少ないスペースで済むという
メリットも沢山多いので
ぜひ積極的に
使ってあげてくださいね
③ナナメゴマ
ナナメゴマとは
角度がついたコマのことです
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ナナメゴマ.png)
ナナメゴマのメリットは
・迫力が出る
・デットスペースを少なくできる
・入らない構図が入るようになる
・単調なコマ割りのアクセントになる
・不安定さをだすことができる
という点です
ナナメゴマのデメリットは
・多用すると読みにくい
・安定感がなくなる
・角度をつけすぎると見た目が悪い
という点です
メリットに書いてある
デットスペースを
少なく出来るというのは
漫画を描いてる時
どうしてもスペースが空いてしまう
場合があります
コマを斜めに割ることによって
少なくすることができるんです
これをすることにより
画面全体の密度があがるという
メリットもあります
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/04/ナナメ.png)
また、入らない構図が
入るようになるというのも
これと同じ原理です
たとえば
人物を太ももまで見せたいけど
コマが小さくて見せられないという場合
ナナメにコマ割りすることで
面積自体は同じでも
必要な部分に場所を
割り当てることができるんです
メリットも沢山ある
ナナメゴマですが
使いすぎると逆にマイナスな部分が
目立ってしまうので注意しましょう
使う為には
①最低限の効果的なコマにだけ使う
②角度をつける際
・ゆるやかな角度のナナメを使う
・基本的にナナメを使ったコマの
残りの片方の角度は垂直水平にする
というルールを守りましょう
そうすると
見やすい画面のまま
ナナメゴマのメリットを
活かすことができるでしょう
【番外編】
番外編では
たまに使うと効果的なコマを
ご紹介します
①空白のコマ
空白のコマ
というのは
「真っ黒な画面」や
「人やセリフがなく、空気感だけの画面」
のことを言います
このコマの効果は
・アクションする前に入れると迫力が出る
・表情を見せたい時、次のコマを引き立たせる
・スピード感ある展開の時に一度休憩する場所
などがあります
全てに共通しているのは
「空白のコマ」は
読者に見てほしい場面の前に入れると
効果をひきだす力がある
ということです
なので
もしあなたが
見てほしいと思っている
場面があるとしたら
大ゴマやアップの他に
空白のコマを
取り入れてみて下さい
②背景のコマ
背景のコマは
建物だけ、空だけ、地面だけ、など
人物が映りこんでいない
コマのことをいいます
主な役割としては
・背景が主役の時
・セリフが多い時など
文字に集中してもらうため
・テンポ調整
・作画の時間短縮
などがあげられます
人物が多く
画面がごちゃごちゃしている時に
空などのシーンをはさめば
画面的にも
キレイに整いますので
ぜひ使って見て下さいね
ただしそれが応募する作品だった場合
トーンで背景を埋めるという
テクニックを多用してしまうと
評価に影響するおそれがありますので
注意してくださいね
コマの役割一覧
~大きさ編~
◆アップ◆
〇感情が伝わりやすく画面が華やかになる
×多用するとメリハリがなくなる
◆ミドル◆
〇表情と状況、どちらも見せられる
×万能だが、強調には向かない
◆ロング◆
〇立ち位置関係が見やすい
×表情や、細かな変化が伝わりづらい
~角度編~
◆ふかん◆
・みおろした構図
〇安定した画面、周りの環境が分かりやすい
×高さが比較しづらい、画力が必要
◆あおり◆
・みあげた構図
〇迫力がだせる、威圧感がでる
×多用すると見づらくなる
~コマの形編~
◆タテゴマ◆
〇高さがあるもの、全身を見せたいとき
×距離や時間の流れは分かりづらい
◆ヨコゴマ◆
〇距離を伝える、時間の経過を見せる
×ポーズや動きを見せるには不向き
◆ナナメゴマ◆
〇迫力と不安定さが出る、アクセントになる
×多用すると読みにくい
~番外編~
◆空白のコマ◆
タメ、目を休める場所を
意図的に作る効果がある
◆背景のコマ◆
背景が主役の時や
セリフに集中してもらいたい時に便利
コマの形や構図の決め方【まとめ】
漫画のコマというのは
1つとして
無駄なものは存在しません
必要がなさそうなコマでも
テンポを整える
「タメ」だったり
より伝わりやすくするための
「補足」
の役割をもっています
ですので
コマ割りに悩んだ時は
一番見せたいのはどこか?
を考えて
そこが引き立つように
調整するとよいでしょう
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/03/ゆこアイコンハート左笑う-300x300.png)
記事でしたね!
漫画を読んでる時は
コマの形や
構図の角度など
全てに意味があるなんて
思ってもいませんでした
これをみれば
ヒントがもらえるかもしれないね!
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/02/萌アイコン左笑う-300x300.png)
![](https://hanasakichu.com/wp-content/uploads/2020/03/ゆこアイコンハート左笑う-300x300.png)
コマ割りには
何百パターンもあるので
いつも読んでいる漫画は
どういう狙いをもって
このコマを選んでいるのか?
というのを考えながら
読んでみると勉強になりますよ
今回でコマ割りについての記事は
最後になります!
次からはまた
基本的な漫画の描き方について
おつたえしていきますので
ぜひ参考にしてみてくださいね♪
今回はコマ割りの基本
第3回目として
コマの形や構図の決め方
についておつたえします♪
先に、
コマ割りの基本1回目と2回目
基本①(読み順について)
基本②(コマの間隔や枠線の太さ)
を読んでいただけると
より分かりやすいかと思います
いったん終わりなんだね!
おつかれさまでした~♪
今からなのに、
勝手に終わらせないで下さい;
今回は、実用的に使える
コマの形の意味や
構図の決め方をお教えしますね
コマ割りで悩んだ時に
調べられるよう
今回は目次が多めになってます
最初に一通り
読んでいただき、
実際のネーム作業で
つまった時に
気になる項目へ飛んでくださいね
こんな方におすすめ